今月のことば(3月)

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    三尾慶信さんという方の出版されている詩集があります。
    その中でも特に『老眼』という詩が好きです。

    『老眼』

    「若い頃に見えて
     年を取ると
     見えなくなるものがある

     若い頃に見えなくて
     年を取ると
     見えてくるものがある」


    一般に老眼というと、この詩に書かれてある前者の方を指します。
    正式名称は「老視」。目の水晶体という部分の弾力が加齢と共に衰え、
    調整する力が失われていき、近くのものに焦点を合わせにくくなる現象です。
    近くのものが見えにくくなり、本を読むといった日常的な行為が不便になっていくので、
    老眼を意識するようになると、いよいよ年齢を感じざるを得ない方が多いようです。


    西嘉穂組では毎年「連研」(連続研修会)という、浄土真宗の基本を学ぶ研修会を行なっています。
    今年度も昨年7月に開始し、今年2月19日の「入門式」(※)を終えられた受講者の方々が、大勢いました。
    規定時間内の講座数なので、毎年「(仏教のことは)まだまだ分からないことがたくさんある」という意見が多い中で、「受講してみて、やはりもっと早く、若いうちから仏教をしっかり学んでおくべきだと思った」という声も聞かれます。


    確かにそうです。若いうちから仏教に親しみ、その教えを人生の中で味わっていただきたい、という思いを私たち僧侶も持っていますし、そういうご縁作りもこれから大切になるだろうと思っています。


    一方で、上の詩のように「年を取ってきた」から仏の教えがスッと染み渡るようになったのかもという思いもあります。
    若い頃、バリバリ働き盛りの頃は家族と仕事で精一杯、お寺や仏教と言われても、頭の中には全く無く、暗くて辛気臭くて寄り付きたくなくて、お経は何言ってるかわからないから胡散臭くて…となってしまい、若い頃には見えなかったかもしれません。
    年を取り、失敗や挫折といった経験も重ね、大切な人との別れも経験し…そういった人生の歩みが、
    「若いころに見えなかったもの」を「見えるようになった自分」へと育てて行ってくれたのかもしれません。

    ですから、

    「仏教に出遇ったのが遅かったのを後悔するのではなく、出遇えた今を大切にして下さい。」

    とお伝えするようにしています。
    出遇えた今、そしてこれからの人生の歩みを仏の教えを心の拠り所に歩んでいただきたい、
    という意味を込めて(※)「入門式」というのが連続研修会の「最後の回」になっています。
    (それまでは入門を認められない、という敷居のような意味ではありません)


    もちろん連研は若い方の参加も大歓迎ですよ!
    (ちなみに西嘉穂組の連研受講者で、歴代最年少はなんと9歳!)


    (参考文献)
    三尾慶信『よりみち日和』(幻冬舎ルネッサンス)
    http://www.gentosha-r.com/products/9784779004629/

    (部門員 西蓮寺/僧侶)


    ※記事訂正について
    今月のことば(2月)において、西嘉穂組からの団体参拝者数を「計450名以上の方が」と表記しておりましたが、正しくは「448名の方が」でした。訂正のお知らせをさせて頂きます。



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